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シニアライフ

毎日少しのケアで、シニアの肌は輝く!高齢者の肌特徴とスキンケア・メイク法

きれいになる、オシャレをするということは、どの年代でも大切な役割を持っています。
特にシニアにとっては、「前向きな気持ちになる」という精神的なものだけでなく、生活の質(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)の向上へのつながりも期待できます。
また、自分自身で肌のお手入れをすることができれば、身体機能の維持にも役立ちます。
今回は「シワ」にフォーカスして、シニアの肌の特徴やスキンケア法、メイク法などを紹介しますので、ぜひ参考にして試してみてください。

1.シワはなぜできるの?

老化現象のひとつでもあるシワは、表面的なものと肌の奥でできてしまうものがあります。肌の奥、真皮層には「真皮線維芽細胞」があり、これが肌のハリや保湿に関わるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどを作りだしています。
ところが加齢や紫外線、女性ホルモンの影響などで、肌のハリを保つ成分を作る力が衰え、表情のくせなどが深いシワとして残ってしまうようになります。

加齢によるシワは自然なこととはいえ、気にはなるもの。ただし放置するとますます肌の弾力が失われ、肌の老化が進行してしまいます。
シニアの肌状態は若い頃とは異なるので、現在の肌状態を知り、適切なスキンケアやメイクで健康的な肌を目指しましょう。

2.シニアの肌の特徴は?

年齢を重ねると肌も若い頃と同じ状態ではなくなってきます。
正しいスキンケアやメイクをするには、自分の肌状態を知ることが大切です。

肌が薄くなって乾燥する

肌の細胞は肌の深いところにある基底層で作られ、徐々に押し上げられて肌表面に達し、やがて垢として剥がれ落ちます。このことを「ターンオーバー」と呼び、通常は28日周期で繰り返されます。
ところが年齢とともにターンオーバーの周期が長くなり、細胞を作り出す力が弱まるため、肌が薄くなって乾燥しやすくなります。

ハリがなくなる

真皮層でコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどを作り出す量が減り、肌の水分量が減ってハリがなくなってきます。
皮膚の乾燥や薄くなることに伴い、ハリが失われることも、シワやたるみの原因となります。

脆弱でトラブルが起こりやすくなる

肌が薄くなり乾燥すると、肌に備わっているバリア機能が低下します。内側の水分を保てなくなり、外からの刺激にも弱くなります。そのため、かゆみや炎症など皮膚トラブルを起こしやすくなります。
粉をふくほど乾燥することもあるので、早めにケアをしましょう。

3.シニアのためのスキンケア法

シニアの肌はとてもデリケート。強い力でお手入れしたり、刺激の強い化粧品を使ったりしないようにしましょう。

・洗顔

シニアの肌は薄く乾燥しているため、皮脂を取り過ぎないことが大切です。弱酸性の洗顔料を選び、よく泡立ててから洗顔しましょう。
直接手が肌に触れないよう、泡をクッションのように使って洗うのがコツです。
メイクをしていない場合は、洗顔料を使わず30〜32℃程度のぬるま湯で洗うだけでも問題ありません。
洗顔のときに熱いお湯を使うとますます乾燥が進んでしまうため、人肌より低い温度で洗うことを心がけてください。

・保湿

洗顔またはお風呂の後すぐに、化粧水などの保湿剤をやさしく塗りましょう。保湿剤におすすめなのは、肌にうるおいを与えるモイスチャライザー成分と、水分の蒸発を防ぐエモリエント成分が配合されているものです。
代表的な成分は以下のとおり。

【主なモイスチャライザー成分】
・ アミノ酸
・ グリセリン
・ ヒアルロン酸ナトリウム
・ 水溶性コラーゲン
・ ソルビトール
・ ヘパリノイド など

【主なエモリエント成分】
・ ワセリン
・ 流動パラフィン
・ スクワラン など

 

■保湿剤のつけ方

1.保湿剤(化粧水や美容液など)を適量手のひらにとり、両手で包むようにして体温で温めます。
2.保湿剤のついた両手で顔を覆うようにして、保湿剤がつくように顔全体をやさしく押します。肌をこすらないようにしましょう。
3.乾燥を感じる場合や、量が少ない場合には、1〜2を繰り返して重ねづけします。

・守る

保湿成分がきちんと配合されていても、化粧水だけでは乾燥を防ぐことができない場合があります。乾燥が強い場合には、化粧水の後に乳液や油分が多めのクリームなどで保護をしてあげましょう。
顔だけでなく、首元や身体の乾燥している部分には、化粧水やボディローションで保湿してからクリームなどで保護をするとより乾燥を防ぐことができます。

4.シニアのためのメイク法

シニアの肌質を考えながら、年齢に合ったメイクを行うと、肌状態の向上と上品なメイクができるようになります。シワをできるだけ目立たせないメイク法を紹介します。

日焼け止めを使う

シワの原因の多くは紫外線といわれています。
外出するときは日焼け止めを使っているという方でも、雨の日や家の中にいる日は何も塗っていないのではないでしょうか?紫外線は雨や曇りの日でも降り注いでいますし、ガラスも通り抜けます。日焼け止めは屋内にいても、毎日塗るようにしましょう。
SPF値の高いものは刺激が強く、落としにくいため、SPF20〜30程度のもので十分です。

できるだけ薄づきにする

シミやシワなど隠したいものが増えると、ファンデーションを厚く塗りがちです。しかし厚塗りをすると、余計に肌がくすんだり、老けて見えたりしてしまいます。
特にシワは、ファンデーションが入り込んで、シワがさらに深く見えてしまいます。ファンデーションは、できるだけ薄くつけるようにしましょう。
リキッドファンデーションを薄く伸ばし、最後にパウダーで仕上げると、しっとりときれいに仕上がります。日焼け止め効果のあるリキッドファンデーションなら、日焼け止めを塗る必要はありません。

似合うカラーを見つける

好きな色と似合う色は違います。
若い頃と同じメイクが、年齢とともにうまくいかなくなってきたと感じる方も多いでしょう。
シニアのメイクは、ツヤと明るさに注目してください。シワを上品に魅せる効果も期待できます。

目元にはラベンダーや薄いピンクのような明るい色に、粒子の細かいパールが入ったアイシャドウがおすすめ。ツヤがポイントとはいっても、粒子の大きいグリッターやラメは、シニア世代にはおすすめしません。細かいパールで上品な印象に仕上げましょう。

また、口紅は、鮮やかで発色の良い濃い色がおすすめです。くすみカラーは垢抜けたイメージがありますが、肌の色がくすんで見えてしまうため、鮮やかなはっきりした色で血色の良さを演出しましょう。

5.老人ホームでも行われている美容の取り組み

スキンケアやメイクが、高齢者の心身に良い影響を与えることがわかってきており、老人ホームでも積極的に美容を取り入れています。
トラストガーデンでもさまざまな美容への取り組みを行っているので、紹介します。

訪問理美容

訪問理美容は、理容師・美容師が定期的に施設を訪問して、外出が難しい方のために、シャンプーやカット、ヘアカラー、パーマなどのサービスを提供します。
※費用は自己負担。
フェイシャルエステやハンドマッサージなどのケア、眉カット、メイクまで行ってくれる事業者もあり、髪やメイクを整えて、ご家族やご友人との食事などにお出かけをする方も。
プロの手によって髪を整えてもらうと、気分もリフレッシュして自然と笑顔になります。

美容教室(化粧療法)

化粧品メーカーの担当者などが施設を訪問して、自分で行うメイク方法を学んだり体験したりする取り組みです。自立支援や、残存機能を生かして自分でメイクすることをサポートしてくれます。
普段よりもウキウキと心も浮き立ち華やいだ気分になり、新たなスキンケアやメイクができるようになると、生活自体にハリが出ることも。いくつになっても、オシャレや身だしなみを意識して美しくありたいという心を持ち続けることで、自分に自信を持ち、社会(周囲との)交流の機会が増えることにもつながります。

6.まとめ:正しい美容で「自分らしい美しさ」を

年を重ねるとシワやたるみなど、肌の悩みは出てくるものです。しかし、年齢に合った正しい美容法を行えば、モチモチの肌になっていきます。
シワはなくならなくても輝く肌になれば心もウキウキするもの。
特にスキンケアは毎日行うことが大事ですが、やり方がわからない方は、化粧品売り場の美容部員に教えてもらうこともできますし、老人ホームなどシニア向け住宅では訪問理美容や化粧療法など美容の取組みを行っているところもあります。
年を重ねても「自分らしい美しさ」を保てるように、年齢に応じたスキンケアとメイクを楽しみ、オシャレを続けていきましょう。

記事監修

美容ライター

・日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ資格