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老人ホームの選び方

どんな部屋?どんな設備? 気になる介護付有料老人ホームの居室を紹介

「個人の部屋の広さはどのくらい?」、「どんな設備が付いているの?」、「使い慣れた家具を持ち込める?」など、老人ホームで暮らす際のプライベートな空間である居室がどうなっているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。介護付有料老人ホームなどの高齢者向けの施設は、住み慣れた自宅に近い環境で、安全で快適に暮らせるように設計されています。今回は、介護付有料老人ホームの居室に関する疑問に詳しくお答えします。

1.居室の広さはどのくらい?

国の基準では、個室は13㎡以上あれば有料老人ホームとして届け出が可能です。部屋の形は長方形が一般的ですが、レイアウトの自由度が高い正方形タイプもあります。
長方形で奥行きのある居室は、片側に介護用ベッド、反対側の壁面に家具を配置するのが一般的で、生活に必要なものに手が届きやすく、暮らしやすいのが特徴です。足元に不安がある方にとっては、机やチェストといった家具がベッドの近くにあるため、手すりの代わりになり伝い歩きができるというメリットもあり、転倒防止にも役立ちます。
しかし、大きな椅子を置くなどすると通路が狭くなり、車椅子での方向転換がしにくくなってしまうのが難点でもあります。
正方形タイプの居室は、レイアウトの自由度も高く、例えば片側に麻痺がある場合など、体の状態に合わせてベッドの向きを変えたり、動線を考慮してトイレに行きやすいように家具を配置したりと、工夫しやすいことが魅力です。また、中央にテーブルと椅子を配置すれば、自宅のリビングやダイニングと同じように過ごすこともできます。

2.居室にはどんな設備が付いている?

介護対応型電動ベッドが備え付けられており、水まわりにはトイレと洗面化粧台を備えている施設が多いようです。電化製品については、施設により異なりますが、公式ホームページやパンフレットに「備え付け」と記載がないものは、入居者が持ち込む必要があります。

・トイレと洗面台が居室内にある場合

車椅子でも利用しやすい高さに設計され、手すりを設けたトイレと洗面台が配置されているケースが多いようです。

・家電は自分で用意するの?

テレビや冷蔵庫、電気ケトル、電子レンジ、空気清浄機などの電化製品については、希望のものを持ち込むことができる施設が多いようです。置く場所のサイズを測るなど、十分に確認してから準備をしましょう。

3.好みのインテリアを選べる?

居室は、自分の好みに合った、リラックスできる空間にしたいものです。各施設のルールの範囲内で、自分らしいインテリアを楽しみましょう。

・床はフローリングが一般的

居室の床は段差がなく、掃除のしやすいフローリングが一般的です。メンテナンスがしやすく、クッション性に優れたクッションフロアを採用している施設もあります。畳は、目の方向によっては足が滑りやすく危険なので適していません。絨毯もつまずきやすく、汚れも取りにくいので、衛生面も考慮して、フローリングやクッションフロアが主流になっています。

・壁紙やカーテンは変えられる?

介護付有料老人ホームの居室は賃貸住宅と同じで、原状復帰が原則です。元に戻すことを前提として、壁紙を替えるなどが可能な施設もあります。カーテンは、施設によって設置されているところもあれば、自分で用意するところもあります。防炎加工が施されている必要があるので、購入する際は注意しましょう。

・家具は持ちこめるの?

机や椅子、チェストを備え付けている場合もあれば、ベッド以外はすべて持参というケースもあり、施設によって異なります。備え付けの家具があっても自分の家具を持ち込みたい場合は、施設に相談してみてください。使い慣れた家具を持ち込んで、自宅と同じように快適に過ごせるといいですね。

・照明器具は変えられる?

照明器具は設置されている施設が多いですが、壁紙などと同様に、原状復帰を前提に自己負担で取り替えられる場合もあります。

・趣味の道具は持ち込める?

居室では、他の入居者に迷惑のかからない範囲で、趣味を楽しむことができる施設が多いです。たとえば、ギターや電子ピアノを持ってくる方、絵を描いている方、パソコンで執筆活動をする方もいます。楽器など大きな音の出る趣味は、入居前に施設に確認しましょう。

4.居室の掃除やメンテナンスは?

各居室の掃除は、施設側が定期的に行っています。また、建物や設備の経年劣化などにより壊れたり、不具合が出たりした場合にもホームで対応します。

5.安全対策はどうなっている?

・具合が悪くなったときなど緊急時の対応は?

入居者の状態などを見守るセンサーを導入する施設も増えてきました。センサーにはさまざまな種類がありますが、入居者がベッドで就寝しているのか離床しているのかがわかったり、呼吸の状態によって眠りが浅いのか、深く眠れているのかがわかったりするものもあります。異常があればスタッフの持つ端末などへ速やかに通知が届くため、定期的に様子を確認する巡視の合間に何かあっても、異常を察知できます。

・転倒防止対策はある?

その方の歩行状態に合わせて、動線に沿って手すりを設けるなどの環境整備を行います。たとえば、伝い歩きができる方なら、天井と床に突っ張るタイプのポールを何本か設置して、ポールにつかまりながらベッドからトイレに行ける動線をつくったり、倒れそうになっても寄りかかれる平行棒のような手すりを導入したりと、一人ひとりの歩行状態に合わせて環境整備を行います。本人の健康状態や生活習慣に合わせて、歩きやすく転倒しにくい環境を整えることが大切です。

・窓は開けられる?

施設によって異なります。開けられるところでも、2階以上などで転落のリスクがある場合には、窓を少しだけ開けてロックできるようにするストッパーなどを取り付けて、通風はできるけれど人は通れないようにしています。また、窓の外のベランダは避難経路になっているため、通常のマンションなどと違って部屋ごとの仕切りがなく、つながっているのが特徴です。

・安全を図るため部屋に持ち込めないもの

部屋に持ち込めないもの、使えないものは大きく分けて3つあります。
1つめは、ストーブや線香など火事の原因になるものです。仏壇を置く場合は、ろうそくや線香は火事のリスクがありますので、電子ろうそくなどを使ってもらうようにします。
2つめは、刃物などの危険物です。施設により持ち込めない場合があるので、事前に確認しておきましょう。
3つめは、高価な貴金属や現金。紛失などトラブルの原因になりますので、現金が必要な場合でも、自己管理できる範囲内で極力少ない金額にしてもらう施設が多いようです。

6.トラストガーデンの居室の特徴

介護が必要な方向けの介護付有料老人ホームのシングルルームには、長方形タイプと、正方形タイプの2つのタイプがあります。(正方形タイプは、「フェリオ」シリーズの居室です。)
トラストガーデンのシングルルームは、平均すると約22㎡で、一般的な有料老人ホームの居室より若干スペースにゆとりがあります。また、お一人用のシングルルームのほかに、ご夫婦でもご利用になれるツインルームのある施設もあります。広さは施設により異なりますが、約40㎡とゆったりしており、寝室としてベッド2台を設置できるほか、ソファやダイニングテーブルを置くスペースもあります。
トラストガーデンとフェリオ、各シリーズとも、トイレは手すりと温水洗浄・暖房機能付きで、介護用電動ベッドは標準装備です。フェリオシリーズは、ほぼ全室にミニキッチン・洗面・トイレ・シャワーを備えています。
また、各居室に防炎カーテンを備え付けており、好みの色や柄のものに替える場合は、同様に防炎加工のものを用意していただくことにしています。
掃除は、基本的に週2回行っていますが、必要に応じて適宜対応します。
入居者の動きを感知する生活リズムセンサーを設置している施設もあります。具合が悪くなった際は押す、または握るだけで24時間ステーションやスタッフにつながる緊急コールボタンは、各室に完備しています。例えば認知症状のある方が自分で緊急コールボタンを押せない場合でも、ベッドから起き上がったらスタッフに通知が来るようなセンサーを導入しています。認知症の方の場合は、行動パターンを把握するためにセンサーを導入するケースも多いようですが、プライバシーに関わりますので、ご本人やご家族とよく相談したうえで採用しています。

7.まとめ

介護付有料老人ホームの居室にはさまざまなタイプがあり、快適に暮らすための設備も整っています。眺めや日当たりにこだわりたい方は、事前に建物の周りの環境を確認しておくことも大切です。リビングから離れた静かな場所で過ごしたい方、スタッフステーションの近くを希望する方など、居室の位置を重視される方もいます。
介護付有料老人ホームでは、介護や医療支援が必要になっても、住み慣れた部屋で最期まで過ごすことができる施設が多くあります。
公式ホームページやパンフレットだけではわからないことも多いので、気になる施設があったら、ぜひ一度ご自身の目で確認してみましょう。