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老人ホームの選び方

初めての介護付有料老人ホーム選び。費用の違いから見る最適な選択とは?~前編~

老人ホームへの入居を考え、調べはじめた時に、費用が「複雑でわかりにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
入居する時に必要な費用、月々の支払い。運営会社によって呼び方も違うし、どうして金額の差があるの!?そんな介護付有料老人ホームの費用について、わかりやすく解説します。
まず前編では、全体像と入居時に必要な費用についてお話していきます。

※本文中の「施設」「ホーム」は、介護付有料老人ホームを指します。

1.まずは知っておきたい、入居する時と毎月の費用

介護付有料老人ホーム=高額というイメージを持たれている方も多いかと思います。
テレビCMで聞こえてくる「入居金0円」から、数千万円~億を超える高級老人ホームと呼ばれる施設まで、さまざま。費用の内訳の呼び方や金額は違えども、基本的に内容(内訳)はほぼ同じです。

■一般的な費用の内訳
入居する時の費用・・・前払金(入居金、入居一時金など)
毎月の費用・・・管理費、介護保険規定以上や介護認定を受けていない方の追加サービス費用(上乗せ介護費など)、食費
※その他:前払金を毎月支払うプランの場合は月々の家賃、介護保険自己負担分、医療費などの自己負担分

次に、内訳をご説明します。

2.入居時の費用とは

入居時に一括で支払う費用は、「家賃」のこと。
前払金、入居金、入居一時金などと呼ばれる費用は、「終身にわたって居住することを前提に支払う家賃」のことです。
「家賃」は入居する居室や共用設備を利用するための費用で、家賃のみを前払金として、その他費用は毎月の支払いとするホームが多いです。

入居から最期まで住む前提で「入居が続く予想期間分の家賃」と「その期間を超えて入居が続く場合に備えた家賃」が決められています。一括で支払うことで月々の支払い額を抑えることができ、想定居住期間を超えても家賃の追加が必要なホームはほぼないので、長く住み続けられそうな方にはお得と言えるでしょう。
もしその期間が終わる前に退居をしても、契約に基づき計算した分が返金されますし、法律で残金の保全や金額の根拠の明示、クーリングオフなどが義務付けられています。

入居時に一括で支払う費用が0円の場合、毎月分割して支払う「月払い」の方法が設定されています。一括か月々かを選択できる場合に、長期間の入居が見込めない方は、この「月払い」の方法を選択するのもよいでしょう。
実際には「入居期間が長いか、短いか」が判断基準になりますが、どのくらいの期間入居し続けるか?自分の意思で退居しない限りは誰も予想できません。一括で支払うか、毎月支払うか、両方のプランがある場合にはどちらがよいか。施設により費用もプランも異なるので、ご家族やご自身の状態を伝えたうえで、入居を検討するホームの説明を聞き、十分に理解してご判断ください。

※「月払い」で入居後一定期間、一括支払いに変更できる猶予期間を設けているホームもあります。

家賃の支払い方法、メリットとデメリット

3.知っておこう、「償却期間」「初期償却」

いずれも法律にもとづき事業者ごとに設定されているので、重要事項説明書などで十分にご確認ください。

■償却期間とは
概ね50%の方がそのホームに入居し続けると予想される「想定居住期間」が、入居時の年齢や入居者の平均余命などを参考に設定されています。
入居時に一括で支払う家賃(前払金)から入居期間に応じて、一定額を毎月差し引いていきます(償却)。
ホームや年齢により異なりますが5~7年の設定が多いようで、65歳といった若い年齢の場合は14年など、85歳や90歳と比べて長期間です。

■初期償却とは
「想定居住期間を超えて入居が続く場合に備えた家賃」のことで、入居時に一括で支払う家賃(前払金)のうち、(クーリングオフの場合を除いて)入居期間にかかわらず返金されない金額。

【計算例:あるホームに、4年(48カ月)入居した場合の返還金】

費用の条件:前払金2,650万円、償却期間6年(72カ月)、初期償却15%で入居
初期償却=2,650万円×15%=397.5万円 ⇒ 返還対象額=2,252.5万円
返還金=2,252.5万円÷72カ月×(72カ月-48カ月)=約750.8万円
※実際の返還金の計算は、入退居月を日割り計算します。

4.入居時費用の他に、毎月かかる費用がある

入居時に高額な費用を一括で支払うということは、「その後ホームへ支払う費用はない」と思われる方もいらっしゃいます。
例えると「賃貸住宅の家賃を6年分一括で支払ったとした場合でも、毎月、管理費や水光熱費、食費などの費用が必要」、と考えていただくとわかりやすいと思います。東京都心の月100万円を超えるような高級賃貸マンションでも、毎月の費用が必要ですよね。

では、前編はここまで。
後編で、毎月の費用を解説します。

~後編に続く~

※ご紹介した内容は、運営会社・施設により異なります。入居を検討する際は、希望する施設へ詳しくご相談、または重要事項説明書や契約書などをご確認ください。

※参考
公益社団法人全国有料老人ホーム協会「個人のお客様・消費者向けサイト」
https://user.yurokyo.or.jp/home/

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/

厚生労働省「サービス提供体制のチェックポイント」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/other/dl/other-03_2.pdf

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