シニアライフ 2024/8/20
毎日少しのケアで、シニアの肌は輝く!高齢者の肌特徴とスキンケア・メイク法
2024/8/20
手や爪は、色や形などで健康状態がわかることがあります。脱水状態かどうか判別の参考にできることもあり、命を守るためにも重要です。年齢を重ねると、手の皮膚も薄くなり、爪は厚くなって変色することも。適切なケアをすることで健康管理や感染症予防にもつながるため、ハンドケアを行うことをお勧めします。
手は自分でもよく見えるパーツなので、美しい手やネイルが気持ちも向上させてくれます。
そして、食事をしたり、服を着替えたりなど、生活に関わる活動すべてに使う「手」。今回は、シニアのための「手」のお手入れや重要性についてお話します。
「手」はわたしたちの日常生活になくてはならないものです。高齢になれば、ますます「手」の機能性が重要になってきます。なぜ手が大切なのか解説します。
日頃何気なく使っている手ですが、食事や着替え、歯みがき、洗顔と、日常生活でなくてはならない重要なものです。もし手が使えなくなると、バランスが取れなくなり歩くことさえ不便になります。シニアが自立した生活を送るためには、手の健康が大切です。
年齢とともに関節が硬くなったり、筋肉が衰えたりして手が使いにくくなるので、しっかりと手のケアをしていきましょう。
手は「第二の脳」とも呼ばれ、脳の「運動野」を占めている割合が大きいパーツです。細かい神経も集まっており、他のさまざまな部分と協調して手が動いてくれます。手を使わないと脳に刺激がいかず衰えてしまうため、認知機能も低下するといわれています。特に指先を使うことを心がけると良いでしょう。
普段は意識していませんが、歩く・立つといった運動にも「手」は大きく関係しています。歩くときには手を振りますし、立つ際にも手をどこかについたり、つかまったりして立ち上がります。手が使えないとバランスを崩して歩きにくくなるなど、一見、手とは関係のないような運動機能にも手が大きく関係しているのです。
手にはさまざまな健康状態が現れます。高齢者で注意したいのが脱水状態ですが、喉の渇きを感じず自覚しにくいので、手でチェックしてみましょう。
チェック方法は、手の甲をつまんですぐに離し、つまんだ跡が消えるまで3秒以上かかると脱水症状の可能性があります。また爪を白くなるようにギュッと押さえ、パッと離した際に色が戻るまでに3秒以上かかることでもチェックできるそうです。
子どもの手、30代の手、シニア世代の手と、見た目で明らかに違いがあるように、手には年齢も現れます。シニアの手にはどのような特徴があるのでしょうか。
子どもの手はぷくぷくと肉付きがよく血管も見えませんが、シニアの手は骨張って血管が浮き出ています。
これは皮膚の老化が進んで皮膚が薄くなっているためです。皮膚が薄くなると乾燥しやすく、ガサガサとした手になってしまいます。
年齢を重ねた方の手の甲には、よくシミが浮いているのが見られます。手は全身の中でも外にさらされている時間が長く、それだけ紫外線を多く浴びている部位です。
また顔のように保湿やUVケアも丁寧に行わないため、色素沈着をしてシミができやすくなっています。
年齢を重ねると関節が硬くなり、可動域が狭くなることがあります。また関節の中にある軟骨が薄くなり、関節の滑りが悪くなって関節痛を起こすことも。
また手の筋は、タオルを搾ったり、瓶の蓋を開けたりする握力に関係しており、関節が曲がらなくなると握力も低下するといわれています。
高齢になると全身が乾燥しますが、爪も同様に乾燥していきます。すると爪は厚くなり硬くなっていきます。
新陳代謝も衰えて伸びにくくなりますが、色は黄色っぽくなったりグレーになったりします。縦に筋が入る、変形するなどの変化が起こることもあります。
手も年齢に応じたケアが必要です。日々のケアをするだけでも、手を動かすことにつながります。
手はさまざまな場所を触るため、清潔を保つことで感染や疾病を予防できます。高齢になると動くことが億劫で手の清潔保持が難しいこともあるので、手洗いを習慣にしましょう。
石けんを用いた通常の手洗いで十分ですが、石けんは流水でしっかりすすぎ、清潔なタオルで手を拭きます。
シニアの皮膚は薄く乾燥しやすくなっているので、手を洗ったらハンドクリームなどで保湿をするようにしましょう。ハンドクリームを塗り込む動作も、指先を動かす良い運動になります。
高齢になると爪が伸びるのが遅くなりますが、放置すると割れやすくなります。爪は乾燥し、硬く厚いため、お風呂で温まり柔らかくなったときに爪のお手入れをするのがおすすめです。
爪切りを使用する場合は、一気に切らず少しずつ数回に分けて行いましょう。
老人ホームでも手の機能を維持するために、ハンドケアが行われています。実際に行われているものを紹介します。
手指の血流が促進され、筋肉の緊張もほぐれるので、ハンドマッサージは脳への良い刺激になります。基本的な手順は以下の通りです。
1)手を清潔にします。
2)保湿クリームやマッサージオイルなどを手のひらで温め、手を優しく包み込むようにぬります。
3)親指を使って手のひら全体を円を描くようにマッサージ。
4)指を1本ずつ持ち、根元から先端に向かって軽く引っ張りながらマッサージします。
指の関節もやさしく回すようにマッサージして柔らかくします。
手の甲も親指を使い、やさしく骨と骨の間に沿ってマッサージ。
5)仕上げに手全体を両手で包みます。
手の健康という意味でネイルケアは大切ですが、手元を美しくみせるためのネイルを希望するシニアも多くいらっしゃいます。老人ホームでは「福祉ネイル」を行っていることも多く、美容サービスの一環として提供されています。
ネイルの施術には爪のお手入れだけでなく、ハンドマッサージも含めたケアを行うので、ハンドケアも兼ねられます。
爪の状態や体調を見ることができるように、ジェルネイルなどではなく、速乾性のある安全性の高いマニキュアが使用されます。
トラストガーデンでは、全施設にリハビリスペースを完備しており、理学療法士や作業療法士などの専門職が一人ひとりにプログラム(個別機能訓練計画書)※を作成し、最適なリハビリを提供しています。 手の機能に関連するのは作業療法士ですが、ときには理学療法士や園芸療法士などと連携しながら、入居者の手の機能を評価し、リハビリを行います。 物を作ったり、手芸をしたり、種をまいて野菜を収穫したりといった「やりたいこと」を中心とした内容を、リハビリとして取り入れ、手の機能の維持・向上を目指しています。 楽しく、日常に溶け込めるような手の機能ケアを心がけており、手を使うことで、認知機能の賦活にもつながっています。
※個別機能訓練計画書とは、要介護認定を受けた方に対する個別機能訓練加算取得のために必要となる計画書のこと。トラストガーデンでは、介護付有料老人ホーム全施設に、またお元気な方のシニア向けレジデンス(一部を除く)にも常勤のリハビリ専門職を配置しています。
手が使えないと不便なだけでなく、シニアにとっては自立した日常生活を送る上で大切な機能です。 手の重要性を知り、しっかりケアをしてくことで、手の機能の維持や向上が期待できます。ハンドケアそのものが手を動かすことにもなるので、毎日楽しみながらハンドケアを行っていきましょう。