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2024/10/18
実際に入居してみないと分からない、見えない部分でもある老人ホームの食事のこと。
「どんなメニューがだされている?」、「おいしいの?」、「病院食みたいな感じ?」などとぼんやりとしたイメージの方も多いのではないでしょうか。
どんな食事が提供されているのか、どこで作られているのか、など基本的な知識をまとめてみました。
加齢により思うように体を動かせないなど、さまざまな制約がでてくるなか、食事は毎日の楽しみのひとつです。食事には栄養摂取という重要な役割がありますが、「腹時計」ともいうように、食事は体内リズムを整え、精神的な満足感をもたらすなど生活にも大きく関わります。 また、食欲の減退が、慢性的な低栄養につながることもあります。食べる力に合わせて、食べやすい、おいしそう、食べたくなるといったことにも配慮され、実際に食が進むことが重要です。それらが身体機能の向上につながることもあります。 生活リズムの中心でもある食事。施設選びの際にその内容をしっかり見るためにも、基礎知識を持っておきましょう。
お正月にはおせち料理やお雑煮を、ひな祭りにはちらし寿司を、クリスマスには華やかなチキン料理を提供するなど、老人ホームの食事は季節のイベントに合わせた食事の提供が行われています。 高価格帯の老人ホームでは、ホテル料理長と連携した特別メニューの提供や、「うなぎ」や「ステーキ」の日など、費用プラスアルファで普段より豪華な食事を出すころもあるようです。また、和食と洋食などから選べたり、食欲増進や食事の楽しみとして器や彩りなど見た目にこだわったり工夫をしている施設もあります。 施設見学の際に、同じような献立が続いていないか、イベント食や和洋中飽きないようなメニューが取り入れられているかなどに注目してみるのもいいでしょう。
高齢になると、歯の欠損や口の周りの筋力の低下、唾液分泌の低下により噛む力(咀嚼)と飲み込む力(嚥下)が弱くなることがあります。 老人ホームでは、咀嚼(そしゃく)と嚥下(えんげ)の能力に合わせた食事が提供されている施設がほとんどです。その種類は大きく分けると、1.普通食、2.介護食、3.病態食の3つがあります。
1.普通食(通常食)とは?
普通食は、「嚥下や咀嚼に問題がない状態の方」用の食事です。
2.介護食とは?
介護食は、食べる力に合わせたものが用意されます。誤って気管に入ってしまう「誤嚥」から肺炎を発症する可能性もあるので、状態にあわせたものを食べることは大切です。基本的には、医師や歯科医師、言語聴覚士などが嚥下の評価を行い、決めています。
介護食には次のような種類があります。
ソフト食:舌で簡単に潰せるように柔らかくしたもの
とろみ食・ゼリー食:葛粉や片栗粉、とろみ剤などでとろみをつけたもの
ミキサー食:ミキサーなどにかけて液状に近い状態にしたもの
3.病態食とは?
病態食は、糖尿病や腎臓病といった食事療法が必要な方に合わせ、医師の指示のもと「塩分制限食」、「カロリーコントロール食」、「たんぱく制限食」、「アレルギー食」などに対応した食事です。医師との相談や指示により提供内容が決まります。療養食には追加料金がかかることもあります。
老人ホームの食事については大きく分けると「直営給食」と「委託給食」があります。その違いを見ていきましょう
●直営給食
「直営給食」は、運営会社が直接調理師を雇い、施設内のキッチンで調理して提供します。
●委託給食 「委託給食」は、給食業務の一部、またはすべてを外部に任せる方法です。 「現地調理」形式と「セントラルキッチン」の形式があり、「現地調理」は依頼された施設に人を派遣してホーム内のキッチンでつくり、「セントラルキッチン」では委託会社が保有するキッチンで大量に調理した料理を各施設に配送します。
率直に言うと、直営、委託どちらがいい、ということはありません。“実際にどのような食事が提供されているか”がポイントです。見学の時に献立を見せてもらったり、実際に試食してみたりしてみるのもいいでしょう。
人が生きるために「食べること」は、とても大切です。毎日のことなので、入居検討の際は食事のチェックも怠らないようにしましょう。その施設が、食事でどのような工夫をしているのかを見てみると個性が見えてくるかもしれません。
リゾートトラストグループが運営する有料老人ホームでは、全施設が館内の厨房で調理し、「健康長寿の実現」と「食べる喜びを彩る食事」にこだわった食事を提供しています。老年医学の専門医が監修した「フレイル予防食」や、趣向を凝らしたイベント食など、四季折々の食材を用い、盛り付けや器にもこだわっています。入居後の食事によりフレイルの改善が見られた事例も。会員制ホテルの“おもてなし”を取り入れ、「おいしいものを食べながら健康的に過ごしたい 」という声にお応えしています。