老人ホームの暮らし

介護付有料老人ホーム内の訪問看護を利用するメリットとは？

2024/3/7

「訪問看護」とは、看護師、保健師、理学療法士などが居宅に伺い、主治医の指示に基づいて医療的ケアやリハビリといった必要な支援をするサービスです。訪問看護を提供する事業者には、健康保険法の保険医療機関である病院や診療所が「みなし指定」としてサービス提供を行う場合と、法人格に関わらず事業所指定を受けサービスを提供する「訪問看護ステーション」の2種類があります。
トラストガーデンの一部施設※には、ホスピスルームが設置され、「訪問看護ステーション」を併設しています。訪問看護ステーションがあるとどんなメリットがあるのでしょうか。
今回は、トラストガーデンの訪問看護ステーションを担当するS看護師にお話を聞いてみました。

※トラストガーデン桜新町、トラストガーデン杉並宮前、トラストガーデン南平台（2024年3月現在）

Q1.トラストガーデンの施設には、看護スタッフが24時間365日常駐していますよね。さらに訪問看護ステーションがあると何が違うのですか？
Q2.訪問看護というと、ご自宅に看護師などが伺って看護をするというイメージが一般的ですよね。介護付有料老人ホームと併設というのがなんだか不思議です。
Q3.より一層のお一人おひとりに合ったきめ細やかなケアが可能になるというわけですね。どんな方の利用が多いのでしょうか？
Q4.訪問看護でケアを始めるにあたって、何か計画を立てるのですか？
Q5.お化粧もするとは驚きです。ご入居者にはどんな変化がありましたか？
Q6.ご家族との対話の機会も多いのでしょうか？
Q7.訪問看護ステーションはどうしたら利用できるのですか？

Q1.トラストガーデンの施設には、看護スタッフが24時間365日常駐していますよね。さらに訪問看護ステーションがあると何が違うのですか？

A1．看護スタッフが常駐していることで、急病など緊急時にも迅速な対応が可能という安心感があります。一方で、常に医療的ケアが必要な方、高い頻度のリハビリを希望される方などご入居者には様々なニーズがあります。訪問看護ステーションを設置することで、主治医が作成する訪問看護指示書に基づいてご入居者に幅広いケアを提供することが可能です。

Q2.訪問看護というと、ご自宅に看護師などが伺って看護をするというイメージが一般的ですよね。介護付有料老人ホームと併設というのがなんだか不思議です。

A2．「ご入居者の居室＝ご自宅」という考え方です。訪問看護ステーションが外部ではなく、ホームに併設されていれば、訪問看護ステーションとホーム内の介護スタッフ、機能訓練指導員、ケアマネジャーとスムーズに連携できます。

Q3.より一層のお一人おひとりに合ったきめ細やかなケアが可能になるというわけですね。どんな方の利用が多いのでしょうか？

A3．やはり医療依存度の高い方、例えば末期のがんで緩和ケアや疼痛ケアが必要な方、次に「別表7」といわれる厚生労働大臣が定める疾病等の方、例えば多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症（ALS）で寝たきりの方、人工呼吸器を使用している方や急性増悪の方などです。他の介護付有料老人ホームで受け入れが難しいといわれたといったご相談もあります。
そういった方に、医療的ケアに特化した設備が整ったホスピスケア・ルームを用意しています。

お受入れご相談可能な病名、医療処置の一例

Q4.訪問看護でケアを始めるにあたって、何か計画を立てるのですか？

A4．はい。まず、訪問看護には主治医が作成する訪問看護師指示書が必要です。病状や薬剤の用量・用法、寝たきりや認知症の状況、褥瘡の有無や使用する医療機器をはじめ、必要な指示や留意事項が書かれたものです。
それに加えて、当訪問看護ステーションでは、ご入居者の病状などに合わせてできるだけ自分らしく豊かに暮らしていただけるようなプログラムを考えます。心身が安定した穏やかな生活を送っていただくことを第一に、精神面でもできるだけ明るく過ごしていただけるように工夫します。好きな音楽や写真、絵画などに囲まれた居室環境を整えたり、マッサージやお化粧をしてさしあげたりといったことをケアとして取り入れることもあります。どんな病状や状態にあっても、ご入居者やご家族が望まれる生活に近づくお手伝いをいたします。

訪問看護ステーションを通じた対応の一例

・リンパマッサージ
・お化粧
・呼吸器リハビリ
・褥瘡ケア
・お看取りケア
・家族ケア（ご家族の対話サポート）
・摂食嚥下ケア
・人工肛門のケア
・理学療法士,作業療法士,言語聴覚士等による個別リハビリ
・ACP（アドバンスケアプランニング）,人生会議
・ご家族の支援
・痛みのコントロール,緩和ケア