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シニアライフ
シニアが本当に求めている生活サポートとは?困りごとを解決するヒント

内閣府の「高齢者の健康に関する調査」から、「シニアの困りごとランキング」を作成し、高齢者が本当に必要なサポートや介助の方法を探っていきましょう。
1.シニアの困りごとランキング
内閣府の調査を元に、高齢の方々が困っている行動をランキングにしました。
1:難しいと感じることはない(62.1%)
2:少し重い物を持ち上げたり、運んだりする(25.3%)
3:立ったり座ったりする(14.6%)
4:階段を1階上までのぼる(13.6%)
5:数百メートルくらい歩く(11.0%)
6:夜にぐっすり眠る(10.8%)
7:家事(9.2%)
8:お風呂に入ったり、着替えたりする(6.2%)
9:人とスムーズに会話をする(コミュニケーションを取る)(4.5%)
10:テレビや読書などを楽しむ(3.5%)
※参照元:内閣府「平成29年高齢者の健康に関する調査」https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h29/zentai/pdf/sec_2_1.pdf
上記ランキングのうち、特に「介助があればできる」活動として多いのは、次の3つです。
1.お風呂に入ったり、着替えたりする
2.少し重い物を持ち上げたり、運んだりする
3.家事
では、それぞれをどのようにサポートすれば良いかを考えていきましょう。
2.どのようなサポートが必要か?
「1.お風呂に入ったり、着替えたりする」に対するサポート
高齢者がお風呂で気を付けたいのは、ヒートショックによる溺水です。特に冬場はお風呂での事故が多いため、入浴前には体調を確認し、脱衣所や浴室はあらかじめあたためておきましょう。また、お風呂での座る・立つ動作をサポートするために、シャワーチェアを準備し、適切な場所に手すりも設置するとよいでしょう。
シャワーチェアは種類がたくさんあるため、どのタイプが最適かはカタログなどを見てよく検討します。ズボンや靴下の着脱では片足立ちをしなければならないケースがあるため、脱衣所にも椅子を準備すると万全です。あらかじめ着脱しやすい衣服を選ぶことも、着替えを楽にする手助けになります。
「2.少し重い物を持ち上げたり、運んだりする」に対するサポート
体力や筋力が低下してくると、買物に行く、買ったものを持って帰る、ゴミを出すといった作業が大変になってきます。買物は、宅配サービスやネットスーパーなど、食材や日用品を家まで届けてくれるサービスを利用する方法があります。また家から店舗まで送迎してくれる買物バスを運行している自治体や民間企業などもあるので、近くにあれば利用してみましょう。
ゴミ出しについては自治体が戸別訪問して声掛けも行うゴミ出し支援や、委託によるゴミ収集の支援、地域団体で「共助」を行うコミュニティ型支援などの例があります。住んでいる地域でこのような取り組みがないか探してみましょう。
家の中の階段やちょっとした段差に危険を感じる場合には、上階に行かずにすむように動線を見直し、手すりが必要な場所には取り付けましょう。
さらには、これ以上体力や筋力が低下しないよう、軽い運動や筋トレを積極的に行います。体力・筋力が維持できることで、自立した質の高い生活が送れるようになります。
「3.家事」に対するサポート
掃除や洗濯といった家事は筋力の衰えた人にとっては重労働で、億劫になりがちです。現在はある程度のことを自動的に行ってくれるロボット掃除機や、乾燥まで行える洗濯機があります。さらに家事代行サービスなどもあるので、上手に進化した家電やサービスを取り入れると良いでしょう。
また、食が細くなってきている場合には、食事の準備にも気力や体力が必要です。宅配サービスなどを利用し、1日3食のうち1食でも調理を省けるように工夫してみましょう。宅配サービスは栄養バランスも考えてあるため、インスタント食品などで済ませるより安心です。
メンタル面でのケアも大切
若い頃と比較して、できないことが多くなってきてしまうとメンタル面でも落ち込んだり、夜眠れなくなったりしてしまうことがあります。高齢者の睡眠不足の原因は、日中の活動量の低下や加齢による体内時計の変化、生活習慣病などの病気、薬の副作用などが考えられます。「眠れない」と悩むより、趣味のサークルや地域のボランティア活動に参加するなど、自宅以外で人と会い楽しく過ごしてみましょう。家族以外の人とおしゃべりするだけでも、心身への刺激となり将来の認知症やうつ病の予防にもなります。
そして、ひとり暮らしなどで「突然倒れてしまったら……」と不安に感じている方も多いものです。家電や見守りカメラなどで遠方の家族が見守る方法や、自治体や警備会社などが提供している声掛け・見守りサービスを利用するという方法もあります。
3.プロの手を借りるのもひとつの解決策
家族だけで無理な介護をせず、プロの手を借りるのも課題解決のひとつの方法です。超高齢社会の現在では、介護する方も60歳を超えているということが少なくありません。在宅介護での負担を減らし、双方とも質の高い生活ができるよう、プロの手を借りましょう。
訪問介護
自分一人や家族の介護だけで日常生活を送ることが困難になった場合、「要介護」と認定されれば受けることができるホームヘルプサービスです。介護福祉士などの有資格者が自宅へ訪問し、食事や入浴、排泄などの介助をします。その他、掃除や洗濯、調理の援助、通院などの外出移動サポートなども要望に応じて行います。
ただし、訪問介護は要介護者のできないことをサポートするためのサービスのため、依頼できることには制約があります。例えば同居家族の食事や買い物、要介護者が使用していない部屋の掃除などはサービス対象外です。また、基本的に医療ケアは対象外ですが、痰の吸引など、介護福祉士または規定の研修を受けた介護職員などが一定の条件のもとで行える行為もあります。
訪問入浴介護
介護が必要な方ができるだけ自宅で自立した日常生活を送れるよう、利用者の自宅で持参した浴槽などの機材を使用して入浴介護を行うサービスです。介護保険でサービスを受けることができるのは、要介護1.以上で主治医から入浴許可のある方です。
訪問看護
訪問看護は病状や障害に関わらず、かかりつけ医(主治医)から訪問看護指示書の交付を受けて、訪問看護を必要とするすべての人が受けられるサービスです。看護師などが自宅などを訪問して、病気や障害に応じた看護や医療ケアを行います。かかりつけ医や近隣の訪問看護ステーション、市区町村の介護保険の担当窓口などに相談してみてください。
訪問リハビリテーション
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が利用者の自宅などを訪問し、日常生活の自立支援や心身機能の維持・回復のためにその人に必要なリハビリを行うサービスです。対象者は要介護1以上の方ですが、主治医が訪問リハビリテーションの必要性を認めた場合は、要介護認定を受けていない方でもサービスを受けることができる場合があります。
デイサービス、デイケア
デイサービスは通所介護のことで、要支援・要介護認定を受けた方が対象のサービスです。自宅で可能な限り自立した生活を送れるように、他者との交流、日常生活の支援を目的としています。
デイケアは通所リハビリテーションで、医師の指示のもと、専門職によるリハビリ(機能訓練)を受けることを目的としています。デイサービスと同じく、要支援・要介護認定を受けた方が対象です。
介護施設
介護施設は公的施設と民間施設に大別され、さまざまな種類があります。受けられる介護保険サービスは、介護度によって異なります。また、病気で医療サポートが必要な方など、状態によっても最適な施設が異なるため、本人や家族にマッチした施設を選ぶことが大切です。訪問看護ステーションとの連携により、慢性期・終末期の方が手厚い医療サポートを受けられる、ホスピスルームを備えた介護付有料老人ホームも増えています。
住宅型有料老人ホームでは、食事や身の回りの生活支援や見守りサービスを受けられます。入居時に「自分で身の回りのことができる」といった条件を設けていたり、要介護でも入居できたりするなど、条件はさまざまです。介護が必要な場合は、外部サービスを利用します。
4.まとめ:シニアも介護者もハッピーな方法を見つけよう
高齢の方々が本当に求めているサービスとは何かを見つけ、課題に対して解決策を探っていくことが大切です。
早目に家をバリアフリーにリフォームをしたり、必要な箇所に手すりを付けたり、といった対策をしておくこともよいです。例えば、転倒して骨折し車椅子生活になったり、入院をきっかけに認知症を発症したりすることを防げるかもしれません。
また介護者がひとりで抱え込まず、プロの手を借りることも良い方法です。
シニアも介護者もハッピーになれる解決策を見つけていきましょう。